またまた新聞記事から
1月18日(火)晴れ
昨日の全校朝礼で、タイガーマスクによる善意の全国制覇の話をしました。毎日新聞が、12日の余録で興味深い記事を載せていました。「井上ひさしと141人の仲間たちの作文教室」(新潮文庫)にある内容が中心です。以下に少し要約して紹介します。
井上ひさしさん(1934年11月17日生― 2010年4月9日没 日本の小説家、 劇作家、放送作家。文化功労者、日本藝術院会員。NHKの連続人形劇「ひょっこりひょうたん島」(共作)の台本を執筆。現代的センスによる笑いと風刺で多くの人々に愛された。)は、中学時代に岩手県一関市の本屋で国語辞書を万引きしようとして店番のおばあさんに見つかった。おばあさんは、厳しく叱って薪(まき)割を命じた。井上さんは罰だと思って薪割りをしたが、おばあさんは「働けばこうして買えるのよ」と言って国語辞書を渡しくれた。井上さんは「返しても、返しきれない恩義」と振り返っている。40年以上たって、大作家となった井上さんは一関で何度もボランティアの文書講座を開く。それを「恩送り」と言い表している。誰かから受けた恩を直接返すのではなく、別の人に送る。その人がまた別の人に渡し、恩がぐるぐると世の中を回る。-略― 漫画タイガーマスクの主人公・伊達直人を名乗る児童養護施設への贈り物が相次いでいる。孤児だった覆面レスラーが同じ境遇の子供らのためにファイトマネーを投じる。40年前の「恩送り」の物語である。それがなぜか今、人々の心を奥深くから揺り動かす。
「恩送り」は江戸時代によく使われた言葉という。人々の間で受け渡される思いやりが増幅して世界を変えていく。初夢に終わらせたくない善意の連鎖反応だ。
実は、途中を端折りましたが、中略のところにアメリカの映画「ペイ・フォワード」の話が出てきます。(だから、「世界を変えていく」という言葉が出てきたのだと思います。)
ユイ校長と同世代の人間には、きっと、実感がともなうとてもグッとくる内容の記事だと思います。特に最後の青色のところはいい文章だと思うので、紹介しました。