心に残った記事を紹介します。

 

12月8日(木)曇りのち雨

 12月5日(月)毎日新聞の朝刊社会面に次のような記事がありました。深く感銘を受けたので概略を紹介します。

 東日本大震災で親御さんを失った子供たちを励まそうと、加藤登紀子さん(シンガー・ソングライター)とうつみ宮土理さん(タレント・歌手)が、「青いこいのぼりと白いカーネーション」というオリジナル曲を作ったそうです。毎日小学生新聞で毎月掲載されている岩手県山田町立大沢小学校の児童らの「震災日記」を読んで加藤さんが作詞・作曲し、うつみさんが歌うというものです。

 津波にさらわれた父親の遺体と対面した時の小学校6年生の児童の、次のような「震災日記」が、歌詞に活かされています。

 「お父さんらしき人が見つかったということでした。(中略)驚いたのが時計が動いていたことです。お父さんの息が絶えた時も、津波に飲み込まれている時も、ずっと。お父さんの時計は今はぼくのものになっている。ぼくがその時計をなくしたりすることは一生ないだろう。」

「青いこいのぼり」は、5月の節句に合わせて宮城県内で青い子供のこいのぼりだけが飾られていた光景からイメージして、「白いカーネーション」は、母親を亡くした子供たちへの思いを込めて曲名としたそうです。

曲の一部を紹介します。

 青いこいのぼりと白いカーネーション

作詞・作曲 加藤登紀子 編曲 石川ハルミツ

 五月の空は かがやいている その空の下 僕は走っている 未来へと 時は動いている 何も考えず ここにいるだけで 海の向こうに 消えたあの時 おやじの残した古い時計は 僕の腕で 時を刻んでいる 今もまだ生きているように

二人分 三人分 僕は生きている だってみんな僕の胸の中に 生きているから 大空を走れ 大空を泳げ 青い青いこいのぼり

(間奏)

夕暮れの空は なんて美しい 雲のむこうから 声が聞こえる おかえりなさい 元気だったの あの日のままの母さんの声が あなたは私の夢のすべてなの だからほかには何もいらないの しあわせそうに 言ったあなたの 花のよう笑顔が見える

 二人分 三人分 僕は生きている だってみんな僕の胸の中に 生きているから 大空に咲いて 大空にかがやけ 白い白いカーネーション

 (せりふ)僕のお父さんは もうここにはいない お母さんも もうここにはいない でも父さんの時計は僕の腕で 今も動いている お母さんは僕の胸の中で 今も笑っている だから僕はもう振り向かない 僕はもう泣くのをやめたんだ。僕が泣けば胸の中のお母さんも泣いてしまうから 僕が立ち止まればお父さんがきっと悲しむから

 できればきちんとしたCDとして発表したいと記事にはありました。そうなってほしいものです。加藤登紀子さんの「時には昔の話を」(1992年 アニメ「紅の豚」のエンディング・テーマ曲)はよかった。泣けます。